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知って○得!!カニのあれこれ
間違った説明が多い「カニ」を正確に解説します。第3弾
業界用語と蟹のボイルについて
流通している蟹を大別すると、生のまま冷凍されたものとボイルされてから冷凍された「冷凍もの」と活(い)きたままの「活(かつ)がに」に大別出来ます。当然、味・鮮度ともに冷凍ものは活蟹にかないません。しかし、活ならどれでも大丈夫かと申しますと、これまた一筋縄ではいきません。売れるまでの間、蟹料理店や専門店でよく見かける水槽で飼われているのですが、入荷してから1週間も経過すると身が細るし、当然味も落ちます。使っている海水も常に新鮮なものでなければ、いざ食べようという時に味が落ちております。
こういった点に気をくばりながら、美味しい蟹を皆様に提供するというのもなかなか大変なことなのです。そのための設備などはどうしても冷凍ものを扱うのと比べると必要な物が多くなりまし、当然商売的な面でのリスクも多くなります。それで活(い)きた蟹を扱うお店が少ないのです。本当に新鮮で美味しいものを届けようとすると、活蟹(かつがに)にはかなわないことを知っている業者は、いつからか「浜ゆで」を売り文句にするようになりました。浜ゆでとは漁獲されて水揚げされた港で、新鮮なうちに茹で上げたものを言います。皆様に届くときに冷凍されているものも、ほとんどはこのように水揚げされた港近くの工場で茹で上げられておりますので、あらためて「浜ゆで」を謳う必要はないのですが、何かしらの違いを表現したいものであると思います。しかし、これはフライング的発想ですね。
また、逆に活(かつ)をボイルしてからお送りするからと言って、イコール新鮮、美味しいということにはなりません。「落ちガニ」というのは死んでしまった蟹のことを指しますが、活(かつ)ガニを水槽に入れておいても、いつまでも生きているというものではありません。売れないでいつまでも水槽に入れておくと、次々と死んでゆきます。落ちガニになってから茹でると、ミソが融けて身肉に浸みます。こういう状態になると、味が格段に落ちます。冷凍ものでも、いくら浜で茹でても同様にすでに落ちガニになっているものが、漁獲全体の1/3くらいになります。アブラやタラバあるいはイバラなどは、肩肉の部分が本来まっ白なのに、薄く茶色くなっているものです。毛蟹だと肺の下にある胸肉が同様になります。これらもプロや通の方が見なければわかりません。
さらに、落ちガニもあまり時間を経過してから茹でると、業界では「べちゃ」という言い方をしますが、細胞レベルで崩れてしまっているために、むき身にするとべちゃとした感じがする状態になります。見た目からこう呼ばれるようになったものと思われます。
これだけお話すると、きっと迷いが出てくるものです。これからどこかで買おうかなと考えていらっしゃる方も、これじゃどこで購入していいのか分かりませんよね。やはり、しっかりした職人がいる信頼出来るお店を見つけることです。